無痛分娩体験記

医療

出産した3人子供のうち2人を計画無痛分娩(2013年・2016年)で出産しています。

アメリカやフランスをはじめとする先進国では、妊婦の7割以上が無痛分娩を選択しています。

一方、日本ではその比率はまだ5%ほどだそうです。

まず、普通分娩について話すと、それはまさに地獄でした。

人々が言うように「痛みは忘れる」というのは、私にとっては当てはまりません。

痛みで大絶叫する中、産後は全身が筋肉痛に。その上、24時間赤ちゃんのお世話が待っています。

さらには、上の子の世話や家事も。本当に大変です。

私はもともと体力があった方ですが、3人目の産後の大変さは尋常ではありませんでした(1人目、2人目ももちろん非常に大変でした💦)。

産後2ヶ月で子供が2人同時に入院する事態にも見舞われ、家族の協力も十分には得られなかったため、体も心も極限まで疲れ果てました。

病院の選択

無痛分娩を提供している病院は、まだ多くはありません。特に田舎の地域ではその数が限られています。

病院が無痛分娩を取り扱っているかどうかは、その病院のホームページに記載されていることが多いので、事前に確認してみると良いでしょう。

私の場合、多くの医療スタッフが在籍している総合病院での出産を希望していました。

さらに、里帰り出産となったため、実家からの距離や、忙しい日常の中でほとんど会うことができなかった弟が当時勤務していた病院を選ぶことにしました。

無痛分娩の費用

通常の妊婦健診に加え、手術前に行う検査(心電図など)も併せて受けました。

費用は追加で約10万円でした。ただし、吸引や会陰切開が行われたため、医療保険からは2回とも約30万円が支給されました。

無痛分娩の入院から退院まで(第1子のとき)

その病院には、本当の陣痛が始まったら麻酔をかけないというルールがありました(海外ではこのような制限は一般的ではないようです)。

そのため、私は妊娠38週頃を目処に計画無痛分娩を予定しました。

しかし、38週時点で子宮口が開いておらず、結局39週での出産となりました。出産の前日に入院し、その際に子宮口を開く処置が行われました。

第一子の出産時には、手術室でベテランの麻酔科医師から背中に麻酔のチューブを挿入してもらいました(意外と痛くありませんでした)。

子宮口を開く処置後、陣痛が始まり、それに伴う激しい痛みが続きました💦

一晩中痛みに耐えた後、翌日早朝に麻酔薬を投与してもらい、ようやく少し休むことができました。

陣痛促進のために点滴を徐々に増やし、分娩が進行しましたが、赤ちゃんがなかなか出てこなかったため、吸引分娩が行われました。

初回の出産では、痛みが完全になくなることはありませんでした。

分娩時の痛みも感じましたが、麻酔を使わない状態と比べれば、なんとか耐えられるレベルでした。

麻酔によるトラブルは一切なく、予定通りに退院しました。

子供は、分娩経過との関連は不明ですが、出生直後に呼吸不全となり、3日間保育器の中で過ごしました。

しかし、多くの検査を受けた結果、異常は見られず、「新生児一過性多呼吸」と診断され、一過性で問題ない状態であるとのことでした。

第2子のとき

第2子の時も39週での出産となりました。

その頃には無痛分娩の経験が豊富な麻酔科医が勤務していたため、かなり変化していました。

分娩直前に分娩台で麻酔チューブを入れてもらい、麻酔の効きを、保冷剤を使って足やおなかに当てて、薬の量を調整していました。

朝7時くらいより陣痛促進剤をはじめ、痛みが軽く出てきた時点で麻酔を開始。

その後まっったく痛みがなく、15時ころ出産に至りました。

無痛分娩では微弱陣痛になりやすく、二人とも吸引分娩になりました。

二人目は全く痛みもなく、こんなに楽でいいものか、これならいくらでも産める(笑)と思いました。

おかげで体力の消耗もなく、赤ちゃんのお世話も慣れており、とても楽でした。

母子ともにトラブルなく、通常通りの退院となりました。

感想

私なりの感想として、無痛分娩には明らかなメリットがある一方で、デメリットやリスクも無視できません。

確かに、麻酔に関する死亡事故はゼロではありません。

しかし、これは無痛分娩だけに限らず、どんな手術にも伴うリスクの一つです。

詳しい情報や統計は他のサイトに多く記載されているので、興味があれば検索してみてください。

芸能人の中には、経済的な余裕や都市部での生活など、特定の条件が整っているために無痛分娩を選択する人が増えているように感じます。

例えば、釈由美子さんは高齢出産だったことから、体力の温存を目的として無痛分娩を選択したとのことです。

確かに、無痛分娩は体力を大きく温存できる方法です。

私自身、出産に向けての恐怖感は皆無でした

外科系の勤務経験もあり、どれだけ多くの人々が日常的に麻酔を受けているか知っています。

多くの人が麻酔事故に関するニュースばかりに注目していますが、経験豊富な医療機関では、麻酔事故のリスクがどれほど低いのかを理解しています。

どのような方法での出産であっても、母子共々が頑張っていますし、それぞれの選択は尊重されるべきです。

無痛分娩を絶対に推奨するつもりはありませんが、選択肢の一つとして考慮してもらえればと思います。

最後に伝えたいこと

「無痛分娩なんて!」「痛みを感じるから赤ちゃんがかわいいんだ」などと、

日本では普通分娩信仰がまだとても根深く残っています。

自ら経験のために普通分娩を選択した、産婦人科医宋ミヒョンさんの言葉を借りれば、

「出産の痛みに何の意味もない」です。

出産方法を選ぶのは妊婦本人です。妊婦の意思を尊重してあげてください。

痛みがあってもなくても子供はとてもかわいいです。

すべてをわかって痛みを我慢すべきか、痛みを選ぶべきか、妊婦の気持ちを尊重してあげてください。

読者満足度は95.4%(2020年4-5月号 読者アンケート N=1,527)
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